TECHNICAL ~技術情報~
メカ、機械、ユニットや基板修理に関する知識や修理事例など、ちょっとした豆知識から電子・電気の専門知識まで技術的な情報をこちらのページから提供させて頂いています。
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はんだ不足による接触不良
RoHS対応等で無鉛はんだが普及しだした頃の基板によくあった障害で、有鉛はんだに比べて無鉛はんだは融点温度が高い為、基板実装時のリフロー温度が不十分になり基板のランド部(はんだ実装部分)に十分にはんだが溶けきらず、はんだ不足状態になり、はんだ不良を引き起こすことがあります。
画像はその一例です。赤丸で囲ってある部分が、その該当箇所になります。 よく見るとブリッジ抵抗と基板のランド部が、はんだ接合されていないのがわかるでしょうか。 (画像をクリックし、拡大画像で確認してみて下さい。) |
BGA、CSPはんだ不良
これも無鉛はんだの融点温度が高い為におこる障害で、BGA、CSP等の基板接地面のはんだボールが十分に溶けきらずに起こる障害です。
特に、大きめのパッケージのBGAは、熱によってパッケージ自体に歪が発生し、はんだボールが溶けているにも係わらず、歪が原因で基板とパッケージとの距離にムラが発生し、接触不良を引き起こします。 このような障害の場合、障害切り分けの目安として、パッケージの上から圧力をかけてやったり、パッケージに熱を加えてはんだボールを膨張させてやると、その障害が回避することもしばしばあります。 パッケージ交換前に基板とパッケージをベーキングすることによって、基板やパッケージの歪を最小限に抑える事が可能です。 (ベーキングは結構重要な工程です。) |
スルーホール不良プリント基板は、何層にもなっており、層と層を繋ぐ為にスルーホールと呼ばれるジョイントのようなものがあります。このスルーホールが内部で断線する障害が稀にあります。
このような生基板自体の不良とされるスルーホール不良でも、弊社では修理可能です。 基板内層部リーク不良最近のプリント基板は扱うデータ量が増えてきた為、8層・10層の物が当たり前になってきています。その為、層と層の間隔が狭くなり接触する事が稀にあります。
私共ではこのような症状を「リークしている」と言っておりますが、この場合、不良箇所を特定するのが難しい為、リークしているラインを基板から切り離し、別ラインで接続し直す方法があります。 |
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はんだ割れ(クラック)
普段使用している電化製品やお子様の玩具(電気を使用する物)などで、動作が不安定、または、電源が入ったり入らなかったりする等の経験はないでしょうか。
この様な症状で意外と多いのが、「はんだ割れ(クラック)」です。
画像はある電化製品の基板の一部を撮影したものです。はっきりとはんだが割れているのがわかると思います。
これが原因で、電源が入ったり、入らなかったりと不安定な状態になっていました。
この様な症状で意外と多いのが、「はんだ割れ(クラック)」です。
画像はある電化製品の基板の一部を撮影したものです。はっきりとはんだが割れているのがわかると思います。
これが原因で、電源が入ったり、入らなかったりと不安定な状態になっていました。
はんだ割れの原因は色々ありますが、振動・衝撃・不適切なはんだ量(多すぎても少なすぎてもだめです)等が考えられます。
修理方法は大抵がはんだ割れしている箇所を増しはんだ(再はんだ)してやれば修復可能ですが、稀にはんだ割れが原因で、電子部品自体が壊れることもあります。その場合は、その部品を交換する必要があります。
身の周りの電化製品や玩具で、これは怪しいと思うものがあれば、一度中を覗いてみて下さい。どこかに「はんだ割れ」がある可能性があります。勿論、弊社にご相談頂ければ修理対応致します。
*どんな製品でもそうですが、製品の中を開ける際は自己責任でお願いします。
製品によっては中を開けただけで、そのメーカーからのサポートが受けれない場合があります。
玩具ではないですが、小学生のお子様が携帯している防犯ブザーなどは、よくはんだ割れが見受けられます(しかも、防水性能も良くないので、中の基板が腐食している場合もあります)。
何もなければ使用するものではないので、もしもの時のためにブザーが鳴るかどうかのチェックを定期的に行うことをお勧めします。
製品自体が高価なものではないので、故障が原因で鳴らないとわかれば、おそらくほどんどの方が買い替えることになると思いますが、はんだ割れが原因なら、もしかすると比較的容易に修理できるかもしれません。
電解コンデンサー容量抜け
こちらも基板修理の中では定番の故障内容ではないでしょうか。
特に10年以上前に生産された基板で、よくある故障です。
酷い物になると画像のように電解コンデンサーのTOP部より液漏れが確認できる場合もあります。
特に10年以上前に生産された基板で、よくある故障です。
酷い物になると画像のように電解コンデンサーのTOP部より液漏れが確認できる場合もあります。
修理事例3. KENWOOD KSC-7070 スピーカーシステム イルミネーション点灯不良の場合は、液漏れはございませんでしたが、容量値が明らかに低くなっておりました。
こちらの事例の「動作確認」のページにも記載しておりますが、製造メーカーは製品の寿命を10年から15年を想定して、製品を製造(設計)しています。ここで注意が必要なのが、この寿命の年数が、1日の稼働時間を何時間に想定しているかというのが、重要になってきます。
例えば、製造メーカーは1日の稼働時間を8時間に想定したパソコンを製造したとします。製品の寿命を10年と想定した場合、
8時間×365日×10年=29,200時間
の寿命の部品を設定し使用します。
ところが、このパソコンを購入したユーザーがかなりのヘビーユーザーで、パソコンを24時間稼働させっ放しだったとします。
このユーザーの使用環境では当然、このパソコンの寿命も短くなってしまいます。
24時間×365日×○年=29,200時間
を計算しますと、約3年で寿命を迎える事になります。
このユーザーの場合、使用して3年目のある日突然、パソコンの電源が入らなくなり、中を開けてみると電解コンデンサーに液漏れがあったという事が起こるかもしれません。
因みに、容量値の良否判定は、電解コンデンサーの仕様値(表示値)以上の容量がないと不良品とお考え下さい。
仮に、実測値が仕様値(表示値)と同じ値でも容量抜けが発生している(始まっている)と判断して良いと思います。
こちらの事例の「動作確認」のページにも記載しておりますが、製造メーカーは製品の寿命を10年から15年を想定して、製品を製造(設計)しています。ここで注意が必要なのが、この寿命の年数が、1日の稼働時間を何時間に想定しているかというのが、重要になってきます。
例えば、製造メーカーは1日の稼働時間を8時間に想定したパソコンを製造したとします。製品の寿命を10年と想定した場合、
8時間×365日×10年=29,200時間
の寿命の部品を設定し使用します。
ところが、このパソコンを購入したユーザーがかなりのヘビーユーザーで、パソコンを24時間稼働させっ放しだったとします。
このユーザーの使用環境では当然、このパソコンの寿命も短くなってしまいます。
24時間×365日×○年=29,200時間
を計算しますと、約3年で寿命を迎える事になります。
このユーザーの場合、使用して3年目のある日突然、パソコンの電源が入らなくなり、中を開けてみると電解コンデンサーに液漏れがあったという事が起こるかもしれません。
因みに、容量値の良否判定は、電解コンデンサーの仕様値(表示値)以上の容量がないと不良品とお考え下さい。
仮に、実測値が仕様値(表示値)と同じ値でも容量抜けが発生している(始まっている)と判断して良いと思います。
弊社では、少しでも皆様のお役に立てる情報提供が出来ればと考えております。
技術的な事でも、ご質問・ご指摘等ごさいましたら、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。
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